インドネシアではイスラムに入信した日本人を数多く見かける。彼らのほとんどは結婚などを期に入信した人たちで、礼拝などの宗教的行為をほとんど行わない「KTPムスリム」(身分証明書でのムスリム)であるが、彼らの中にも信仰熱心な人たちを散見する。
この敬虔な人たちのうちのほとんどは信仰を自分の中に秘めているのみで、特に問われない限りイスラムの教えに関して他人に話すことはしないのである。
一方、残りのわずかな人たちがあちこちの電子掲示板に徒にイスラムの教義を書き込んだり、わけのわからない理屈を他人に強要したりして迷惑をかけているのである。イスラム過激派と呼んでもよいだろう。
信仰は自分の中にとどめておき他人に強制しない、意見を発表する時には控え目にやれ、ということがイスラムの教典に書かれているはずなのであるが、こういう「過激派」にはこういう都合の悪い掟は理解しえないのだろう。だから、普通の日本人には気に障る発言が目に付くのだと筆者は思ってしまうのである。

この人たちの「更生」のため、またイスラムに入信したばかりの人たちの役に立つよう、ここではイスラムの規程集「フィキ　Fiqh」について説明する。

念のため申し添えるが、筆者はれっきとした仏教徒である。大乗仏教の天台宗を信心している。インドネシア風に言うとク・ジャウエン(kejawen)に近い。
ただ、インドネシア滞在中に書籍や諸先達からイスラムの知識を吸収してきただけで、それを皆さんに提供しているのみである。

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初稿　2000/02/03
修正　2000/02/04
頁作成　2009-09-08
訂正　2016/09/11