嗚呼、インドネシア
32話 トロウラン遺跡
遺跡めぐり その4


3.4 スガラン池 Kolam Segaran S7 33'34.1" E112 22'54.2" at Southwest corner 
 スガラン池は行政区画ではモジョクルト県、トゥロウラン郡、トゥロウラン村、字トゥロウランに位置する。モジョクルト-ジョンバン街道のトゥロウランープンドポアグン街道の交差点から南に約200mの位置である。

 この池を発見したのは1926年にマクライン・ポント(Maclain Pont)であった。当初は貯水池は全て土で埋まっていた。一年間とはいえ1966年にスガラン池が復元作業が行われ、新規の計画と方針を持って行われた復元作業は1974年に実施され、1984年に終了した。スガラン池の機能はいまだはっきりしていないが、中国の歴史書や地域住民に伝わる話では、この池はレクリエーションと外国の賓客をもてなすために利用された。この貯水池は、375m長で175mの幅であり2.88m高の壁は1.6mの厚さがあり約6.5ヘクタールの広さがある。入口は西側にあり、この貯水池はレンガが接着剤なしで積み上げられている。レンガ同士の密着にはお互いをすり合わせて平らになるようにしたものである。東南の部分には貯水池への水の引入れ口が、さらには南西には排水口が設けられている。この水路は南西にあるドヲ(dowo)集落の養魚池と南にあるブンダル(budar)集落の養魚池とつながっている。現状からは導水と排水路と思われる。当初スガラン貯水池には貯水の機能を持たせていたと疑われる。この記念的構造物は環境との調和をはかったマジャパヒト王朝の能力を映しだす水工工作物技術の成果である。専門家によれば、この池はネガラクルタガタマ書での「湖」と言う言葉と同一と思われる。
筆者註
 現在、この池では魚の養殖が行われていているようで、投網を持った村人たちが目に付く。
説明書では、レンガを擦りあわせて水が漏れないようにしているように見えるが、レンガの間には粘土を詰めて水密を保っているはずである。

 この池の東側に王宮があるが、水上の催しを行うための水際に下りる階段が見つからないのが変である。

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2007-05-19 作成
2015-07-10 修正
2016-08-23 更新
 

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