第8話 ミャンマーあんなこんな (続)
 

第6話 「ミャンマー人の顔立ちと体つき」 (20200222日)

インドネシア、カンボジアやタイでの滞在の記憶からその国・部族に典型的な顔立ちがある。
しかし、ここミャンマーでは「この人が典型的なミャンマー人」という顔が思いつかない。それはミャンマー自体が少数民族の集合体でありビルマ系が6割を占めているが、ヤンゴンには全国から人が集まってきて少数民族が多数存在するため、素人には誰がどこの出身だか見分けがつかない。

 北方民族を先祖に持つ人たちが多いせいか色白の男女が多い。
 一般的に北方系の人たちは骨盤がしっかりしていて臍とほぼ同じ高さにある骨盤の頂部が突出している女性が多い。一方、南方系の人たちにはこの頂部が突出していない人が多く、タイトスカートや民族衣装の腰巻がよく似合う人が多い。
インドネシアのジャワの民族衣装の上着のクバヤはウエストに合わせたサイズでさらには上着の丈が短いのは、この頂部が突出していないから女性的な丸いシルエットになるからであろう。一方タイ人はこの頂部が突出しているため、上着のすそを外都側にはねることで目をごまかそうとしているとの女房の観察であった。


インドネシア 
 
タイ
 
ミャンマー

(上記はウエブサイトから拾ったものであるため、女性たちは全員モデルさん)

 ミャンマーの人たちもこの骨盤頂部が突出していない人が多い。だから、民族衣装のロンジー(サルン)あるいはロンジー風な長いスカートがよく似合う。
 男女を問わず足が長くてお尻が短くクリッとしていてとてもかわいい。
 「カンボジアより美人が多い」とは友人の言だが、納得できる。

 ミャンマーでの「ロンジー」は隣接しているインドに行くと「ロンギー」と呼ばれる。一方同じものでもインドの南に行くとサルンと呼ばれている。少なくともスリランカではサルンという呼び名であったことは確認している。それがインドから陸上経由北回りで伝わったのでミャンマーではロンジーで、一方海上経由南回りで伝わったのでインドネシアではサルンと呼ばれているのであろうことは想像に難くない。

 なぜこんな観察ができるかというと、事務所で働いているスタッフの8割は女性でそれも20歳代が多いのと、事務所のある地域は先進技術開発センターなので、他の会社の人たちにも若い男女が多い。だから事務所内のみならず昼休みにセンター内のレストランにいくと目を奪われることが多々あるのである。

 町を散策しているとホットパンツの若い女性が少ないのに気づいた。
 足が長くてお尻の形がきれいなのにホットパンツをはかないのは太ももを公衆の面前で露出させるのは不道徳と考えているからだろう。ロンジーの文化がこれまで影響している。カイン・クバヤが民族衣装であるジャワでも同様である。インドネシアはムスリムが多いからという点も指摘できるが、非ムスリムでも自宅外でホットパンツをはかないのは民族衣装の伝統が残っているからであろう。

 筆者は定年退職してから12年目に入る。自宅付近は老人ばかりだが、こうやって若い人たちと一緒に働けることに幸せを感じている日々なのである。

     


第7話  ヤンゴン鉄道車両整備工場  (2020/2/25)

   友人が担当しているミャンマーのヤンゴン市Inseinにある国鉄の車両整備工場を2020/2/25に視察してきました。
これはミャンマーで最初に走った機関車。


ミャンマーでは鉄道が電化されていないので、ほぼすべての列車はディーゼル機関車がけん引しています。
中国製やインド製もあるのですが、多くはフランスのAlsthom社製のディーゼル電気機関車で、発電機を回してモーターで駆動する方式を取っています。エンジンはこの通り真っ黒。


機関車の外見はきれいなのですが………。
白い制服の叔父さんはここの工場長。下っ端は真っ黒になって働いています。大変な仕事です。


自動車と同じく鉄道車両の車輪にもタイヤとホイールがあるんです。長距離を走って車輪が磨滅するとタイヤだけを交換します。これはホイール。


これがタイヤです。
タイヤをホイールから抜き出してホイールの径に合わせて内側を加工してプレスでタイヤをはめ込むのだそうです。
とにかく何でも自作できるような設備が整っていました。

ところで、日本から譲渡された列車は1,067mm軌道であり、ミャンマーではインドシナ標準軌道の1,000mm軌道です。彼らの話では片側のホイールを33mm押し込むだけで軌間の変更ができるそうです。

   



第8話 「大学は女子大生ばかり」 (2020年03月04日)

 前に書いたように、わが事務所のミャンマー人のエンジニアたちやアシスタントのほとんどが女性です。彼女たちはちゃんと大学の土木学科を卒業した人たちです。

 2020年2月25日にヤンゴンの鉄道車両修理工場を視察した際に、ヤンゴンに長い日本人から「大学生の7割は女子学生だ。それは試験がほとんど暗記問題ばかりなので、暗記に強い女子学生ばかりが増えてしまう」と聞きました。自分の事務所に戻って、わずかにいる男子職員に尋ねたところやはりその通りでした。土木学科でも女子学生が半分いるとのこと。

 よほど男がだらしないのか、あるいは女が優秀なのかはまだ分かりません。男の子は小さい時にお寺で修業させられる場合が多いので、学校での学習が遅れてしまうのかもしれませんね。

 そのおかげかどうかわかりませんが、他のプロジェクト事務所とは異なり、この事務所ではきれいな民族服に身を飾った若い女性が目を楽しませてくれます。             
    



第9話 「スマホの話」 (2020年03月10日)

 仕事上で農村部に行くことが多く、小さい町のホテルではwifiが入っていないので、ミャンマーのsimが入ったスマホを持っていない友人のミーさんはインターネットにつなぐことができませんでした。
 筆者は昨年カンボジアで買った最新モデルのOppo Renoにミャンマーのsimを入れていたので大体どこでも通信が可能でしたし、テザリング機能でパソコンからネットにログインすることもできました。
 ミーさんに「どこでもテザリングできるようにヤンゴンでスマホを買ったら?」とたきつけたら、さんざん躊躇した挙句にやはりOppoを買うことにして事務員にいろいろなモデルの価格を尋ねました。その結果、
   「チックショー!」
 筆者が昨年カンボジアで$530で買った同じモデルがなんと$330になっていました。昨年末に筆者と同じモデルを池袋のLavieで見たところ約10万円でしたので、ひとりニヤニヤしていたのですが、その喜びも今回の出張で潰えてしまいました。
 ミーさんは筆者のより少し安い$250のモデルを買ってニコニコしていましたが、いざ使い始めてみると、google mapは出てこない、ネットにつながらない、などと大騒ぎしていました。そこで筆者が登場して、「若いスタッフに尋ねなさい」とだけ。だって、「この年寄りにこういうことを聞くもんじゃないんですよ。こちとらだってかろうじて使えるだけなんですから」と独り言。
 さすがに若いスタッフは男女を問わずよく知っていてあっという間にミーさんのスマホを調整して、何も尋ねてこないところを見るとそれからは問題なく使っているようです。

 日本で使っているスマホはsoftbankの「スマホ乗換サービス」という一番安い契約にしたため、テザリングができませんが、諸外国ではこんなケチなことはやっていません。日本社会はなんとまあ顧客の「囲い込み」ばかりやっているのでしょう。
 スマホ料金だって日本はやたらに高い。カンボジアでもミャンマーでも通信料金は普通に使って一か月間で1000円もしません。いくら日本人が金持ちだと言っても、この通信料金は取りすぎですね。
 またこの両国では大規模な施設にはほぼすべてといっていいほどfree wifiが設置されていてどこの通信会社のsimでもネットに繋げることができますが、日本ではfree wifiと言ってもsoftbank以外のスマホは繋げられないなど、ものすごく不便で、通信インフラの整備が運用面で遅れているとしか言いようがありません。この体質、どうにかなりませんねえ。                



第10話 「ボジョー・アウンサン市場・宝石編」 (2020年03月16日)

 筆者はどういう訳か外国の市場めぐりが大好きなので、2019年の12月も今回の出張中にも何回となくヤンゴン最大のお土産物市場に行ってみました。
 投宿ホテルがヤンゴン町の北部にあるので、そこからYBS(Yangon Bus Service)バスに乗って南のダウンタウンにあるボジョー・アウンサンまで。バス代は約16円(200チャット)で恐ろしく安い。
 スーレーのバス停で降りてBo Gyoke大通りを西に向かい徒歩約10分で到着します。が、昼間は直射日光と人いきれでものすごく暑いので高齢者はご注意ください。

 市場の建物は1926年にできた壁と柱はコンクリート製でありトラスで支えられている屋根は高く熱がこもらない構造になっています。もともとは生鮮食料品を売っていた市場ですが、今では布生地と手芸用品、お土産物、それに、忘れてはならない宝石屋がひしめき合っています。

 市場の外周部の立地の良い場所にある宝石店にはそれなりの高級品が置いてありますが、内部の小さい店の宝石は安いのですがゴミが入っていたり、ひびが入っていたり、磨きが悪かったりするので、旅行記念に買うのなら止めはしませんが、高級品を買いたいなら東京の御徒町にある宝石屋の方がずっと安心です。これは宝石の島であるスリランカのコロンボでも全く同じです。宝石は運賃があまりかからない上に単価が高いので良質のものは輸出されてしまうからです。
 ルビーではピジョンブラッドのもの(濃い赤)が珍重されますが、この市場では良質のものは見かけませんでした。またサファイヤも同様で、色の薄いものはサファイヤの原石にコバルトを加えて再加熱すると色が濃くなるそうです。安くて色の濃いサファイヤは色付けしたものがほとんどです。水晶も各種そろっていて、アメジストやガーネットなどもたくさん置いてありました。ミャンマーのアメジストはブラジル産のものとは異なり虹色が出てきません。
 またミャンマーは翡翠(ヒスイ)の大産地で、この市場でも大量のヒスイの加工品があります。筆者はヒスイに興味がないので、ヒスイはスルー。
 この市場の最も北側の通りに琥珀の店がありました。結構大型できれいな琥珀もありました。

 宝石を見に行くのならぜひルーペを持参してください。筆者は百円均一の店でゲットした時計修理用のルーペを使っています。これを使うと両手が空いて使い勝手がいいのですが、眼窩に挟むのにちょっとコツが必要です。ルーペを使っても指で持つと指で宝石が隠れてしまうので、ダイヤモンド・ホルダーを持って行くとよいでしょう。

 宝石の鑑定には長い経験が必要ですが、素人でも騙されないルーペを使う簡易な鑑定法は以下の通りです。
(1) 宝石内にゴミがあるものは買わない。宝石からの反射光が濁るから。
(2) 宝石内に割れ、傷があるものは買わない。温度差などで割れることがあるし反射光が濁るから
(3) 宝石のカット面の三面 の接触している頂点がきちんとあっていないものは加工が悪いので買わない。
(4) 宝石内に色むらのあるものは天然石である可能性が高いが、宝飾品にするときれいでない場合が多い。
(5) ルビーやサファイヤで色が濃くて安いものは色付け加工をしている。それを承知なら買ってもよい。
(6) メノウなどの貴石のカボッション加工の場合には表面傷の有無と仕上げを確認してから買うこと。
  
  


ホームページに戻る エッセイの目次に戻る 次のページに進む


2023-01-03 作成

inserted by FC2 system