度欲おぢさん的イスラム相談室
第十相談室 ムスリムになれる資格

まさか、と思われるでしょうが、ムスりムになるためには資格基準がありこれに該当しない人たちは振り落とされます。資格基準そのものが面白いのでご紹介しましょう。

 資格基準はこれらの条件だけです。

1. 健全な理性を持った人間であること。(テンカンを除く精神病でないこと)
2. 青年に達していること、すなわち

(a) 男子の場合は十五才以上であるか、あるいは夢精のあったこと。

(b1) 女子の場合は十五才以上であるか、あるいは初潮があったこと。

(b2) また女子の場合は睡眠中の夢であっても、実際の夫婦の交わりでも体内で射精させたことがあること。

 当たり前と言えばそれまでですが、あまりにもドギツイく感じられませんか?漠然とした条件だけで納得する日本人と違い、あくまでも具体的で直接的なのがアラブ風な特徴です。ここが日本にイスらムが入りにくい理由の一つとなりましょう。

 寄付を沢山しなければならないとか、選挙応援をしたり、毒ガスをつくらなければならない体力が必要だとか、上司や組織の大量殺人の命令には絶対服従せよとかはこの条件に入っていません。人種も肉体的条件もないのです。またオカマでもいいのです。

 また、キリスト教と同じように、イスらムでは信仰の種類を決めてあります。

 これには
(1) アッら−への信仰、
(2) 天使への信仰
(3) クルアンなどの聖書への信仰、
(4) 預言者達への信仰、
(5) 世界最後の日(Kiyamat)への信仰、
(6) 天命への信仰です。
これを信じないことにはムスりムにはなりえないのです。というのは、当たり前の話ですがイスらムがこれらの信仰を元に成り立っているからです。浅学非才の筆者はこれらを詳しく説明できませんから、興味のある方は「その筋の本」を読んでください。

 また、ムスりムの義務として五つの行為があります。これらは個人的な義務で他人に任せられないものです。これには
(1) 信仰告白(syahadat)、
(2) 礼拝(shalat)、
(3) 断食(Ramadhan月のpuasa)、
(4) 喜捨(zakat)、
(5) メッカ巡礼(haji)
があります。かなりきつい義務ですが、「オウムで出家」することを考えたら、大したことではありません。これらは社会・集団の中で「皆と一緒に」しなくてはならないことですから、気張ったりせず淡々とムスりム達はやっています。

 中東の宗教らしいのは信仰告白を最初の一回ではなくわざわざ毎回の礼拝の都度させることです。ここでも中東のしつこさがでてきています。また断食は別に書きました。「喜捨」はザカ−トという義務(wajib)と任意のサダカがあります。ザカ−トには二種類あってFitraの一人一年白米3リットルというのと、財産の2.5%を供出するAmalがあります。Amalは金90グラム以上の余剰財産を持っている人が払う義務があります。羊や山羊の場合には0.9頭という訳にはいきませんから、これには40頭以上持っている人が該当し、支払は成獣の牡山羊と決まっているそうです。

 あなたが日常困っているその他の任意の寄付については別な話として取り上げようと思っています。

 ここでは義務の題目だけあげておくことにして、みなさんが見かけるムスりム達がやっている義務についての詳しい話はこの続きに書きます。

[参考文献]

目次へ戻る 次に進む

頁作成 2009-09-24
校正 2016/09/11

inserted by FC2 system