嗚呼、インドネシア
72話 国立博物館の収納石碑
Inscriptions in National Museum in Jakarta


 2011年7月16 & 17日、ジャカルタの国立博物館に石碑の調査に行ってきた。 上の写真の博物館である。入口広場に象の彫像があるので Museum Gajah (象博物館)とも呼ばれている。場所は独立広場の西側で、transjakartaのバス停の前だ。

 調査当時にはSriwijayaという歴史研究論文を和訳しており、この本の中に石碑の名前がたくさん出てくるのでウエブの写真だけではなく実物を見たかったのである。
 
 日本では考えられないが、歴史的に重要な石碑のほとんどが露出していて手で触れるようになっている。

 国立博物館に収納されている石碑には「D.番号」がついており、この番号をリストで探せば名前がわかるのだろうが、そこはインドネシア。
 ほんの一部しか石碑の台に説明文がなかった。そこで「D.番号」順に撮影した写真を並べちゃうのである。そのうちだれかが番号と名前の対照表をくれるだろうから。

 遺跡やこのような歴史的遺産を見るたびに、これらの保護にインドネシア人は熱心ではないと感じる。マレーシアでも同様の感覚に捕らわれたのである。
 これはここ千年間でイスラム化したためにもともとの宗教施設や都市を放棄したりしたためではないかと思われるのである。ただ、ジャワではつい百年位前まで仏教が生き残っていたから、古い祠堂の管理は行われていたようだ。
 というのはイスラム化しなかった東南アジアの仏教国のみならず、東アジアの諸国でも古い寺院はそのまま使われているからである。
 
2013-04-25 追記
 ウエブサイトで調べたところ、詳細が不明であった内の一部の石碑の説明を見つけることができたので、説明文を追加した、とともに参照したサイトをリンクした。これらの石碑に関する記述は英語のものよりインドネシア語のサイトの方が詳しいのは言うまでもない。石碑の記載内容など詳細まではここで触れていないので、興味ある方はリンク先をお読みください。

 もし、万が一、こんな方はまず存在しないとは思うが、ジャカルタの国立博物館(Meseum Gajah)で石碑や石像を暇つぶしに見たいと思う方がいらっしゃったら、このpdfの案内書を印刷されてお持ちになれば、展示してある石碑について理解が深まることでより興味ある散策になりましょう。
 尚、時折、日本語で解説していただける企画をやっているようなので、国立博物館やジャカルタ日本人会などに問い合わせてみるとよいかもしれない。

 この石碑のリストはウエブサイトに掲載されていた石碑一覧表の助けを得て作成したものである。参考 pdf Kokubun_List, pdf Yamasaki_data7-1。作成者に感謝するとともに、これらの表から脱落している石碑が多数あることをお伝えしたい。
 2024/01/03 追加

Photo albums for inscriptions (PDF) in the National Musium in English is here.

Photos of inscriptions in this meseum are missing in this page for:
Code Name Year
D.30 Wadihati (Panggonan) 891
D.45 Salimar I (Nanggulan I) 880
D.54 Balinawan (Singosari I) 891
D.64 Pastika (Gunung Gondang) 881
D.78 Kayu Ara Hiwang (Boro Tengah) 901
D.87 Sungih Manek (Singasari) 915
D.109 Balinawan (Singosari I) 891
D.141 Layuwatang (Kadiluwih) 845
D.144 Sri Mangala II (Candi Asu) 874
D.173 Harinjing A 804
D.173 Harinjing C 927
Reference: http://ofias.jp/j/itp/Yamasaki3-1.pdf
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2011-07-22 作成
2011-07-24 追加
2011-08-02 追加修正
2011-08-29 追加修正
2012-08-19 追加修正
2013-02-21 追加修正
2013-02-27 追加編集
2013-04-24 追加編集
2013-06-03 追加修正
2014-02-28 印刷用ファイル追加
2014-06-20 追加編集
2014-09-30 修正
2015-03-22 修正
2016-08-29 修正
2023-01-10 再編集
2023-01-22 修正
2024-01-03 修正

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