嗚呼、インドネシア
39話 マディウンの蒸気機関車 (Steam Locos at Madiun)
 出張で滞在していたMadiun市の近郊の6箇所に製糖工場があり、蒸気機関車が展示してあったりしたのでそれを撮影に行った。訪問した製糖工場は下の地図に示すとおりである。


PANGGOTAN SUGER MILL
2007-11-04撮影のパゴタン(Paggotan)製糖工場所有の蒸気機関車 位置はS7 42'10" E111 32'11"である。
左側の動輪駆動リンクがはずされていた

MADIUN STATION
2007-11-17 & 19に撮影したインドネシア国鉄所有の蒸気機関車。 位置はS7 37'07" E111 31'21"
マディウン駅の西側の最初の踏切の所にある。

REJO AGUNG SUGER MILL
 2007-11-19早朝撮影のレジョアグン(Rejo Agung)製糖工場所有の蒸気機関車。ほぼ原形を保っている。部分詳細は下の写真を。
 この機関車はマディウン市北部にあるバスターミナル付近の大きな交差点に面して展示してあるので見つけやすい。位置はS7 36'10" E111 32'02"

注目して欲しいのはこの煙突の装飾である

機関車銘板

PURWODADI SUGER MILL
2007-11-24早朝撮影のプルヲダディ(Purwodadi)製糖工場所有の蒸気機関車 位置はS7 34'12" E111 25'28"である。

 11月24日は朝五時半にホテルを出て、八時頃には約25km走って戻ってくる予定だったが、途中で道を間違えて遠回りをしてしまい約40kmも走らざるを得なくなった。定年間際の筆者は相当辛いサイクリングになってしまった。
 自動車で走っているとまったく平坦に見えるのだが、10kmで50mのわずかな勾配があるのが自転車で走ってみて初めてわかった。

 マディウンには六ヶ所の製糖工場があると聞く。来週の土日は郊外にあるもう一つの製糖工場に行ってみよう。現地の人の話だと、この工場ではまだ蒸気機関車が現役で活躍しているとのことだ。
 外国からわざわざお金と時間をかけて見に来る人がいるが、毎週ただでほっつき歩けて申し訳ない感じがする。

 まだまだ続くぞ、蒸気機関車。

 11月26日の朝五時半に自転車でホテル発。マディウン市の南の境界近くに、カニゴロ(Kanigoro)製糖工場がある。ここの製糖工場ではまだ蒸気機関車が使われていると聞いたので出かけたのであったが、数週間前に収穫のための運転は終了していて、活躍している姿の機関車は見ることができなかった。ただ、事務所には無断で機関庫に入り込んで、係りの人たちに調子よく話を合わせて写真撮影ができた。機関庫に収納してあった機関車は合計12台で、そのうち2機はディーゼル、残りは全て蒸気機関車であったが、実際に稼動しているのはそのうち三機だけであった。
機関庫入り口はS7 39'37" E111 32'15"であった。

KANIGORO SUGAR MILL
2号機
前照灯は電池を使っている。以前はどこにでもあった薪を燃やしていたが、薪の値段がだんだんと高くなってきたので、薪で火をつけた後はサトウキビの絞りかすを燃している
4号機
ボイラの調子があまりよくないので、これから修理するとのことであった
5号機
廃車に近い状態
6号機
まだ使ってはいるが、よる年波か、力が弱くなりシリンダーの摩滅ではないかと機関庫のサルノさんが言っていた
その他

7号機 廃車

8号機 廃車

11号機

26号機 廃車

27号機 廃車
 よくもまあここまで使っているなあ、というのが正直な感想である。
 日本人なら、もう少しきれいに直すのに、さすがインドネシアだけのことである。 
 明治時代にタイムスリップしたようである。

 廃車になっている機関車はやはりモデルが古いものであった。これらの車齢は100年を越えているのではないかと思われる。

 廃車になった機関車ばかり見ていると「機関車の墓場」のような気がしてきたが、 これでもちゃんとした機関庫なのである。

 
 12月1日土曜日に、この地域を熟知しているドライバーのアグス君に案内してもらい、残ったSudonoとRejosariの2つの製糖工場を訪問した。
SUDONO SUGAR MILL
Ngawi-Madiun街道沿いのSudono製糖工場入り口に展示してある4号機。S7 29'40" E111 25'42"
6号機
10月で運転は終了していた。S7 29'48" E111 25'14"
 かつては元気いっぱいで、力いっぱい働いていたのに、70年もたつと故障が多くなるとともに時代遅れでだんだんと廃棄処分になってゆく。定年直前(当時)の筆者にも一抹の悲哀を与えてくれた。

REJOSARI SUGAR MILL

6号機 アルジュナ号
この工場では機関車にジャワ島の山の名前をつけていた。

7号機 メラピ号

10号機 サラク号
 機関庫の人の話では、この機関車はとても珍しいタイプであり、外国からもしばしば見学に来るとのことであった。
ピストン・リンクの駆動装置が二重になっているのが珍しいのか。

12号機 スラメット号
左の銘板にあるように、1924年製である。
その他
Rejosari製糖工場の入り口の位置はS7 41'19" E111 24'49"で、機関庫の位置はS7 41.323 E111 24'48"であった。

 製糖工場からの帰路、1992年に何回か通った露天温泉を見つけた。位置はS7 38'45" E111 31'04"。Google Earthで解像度が高い部分にあるのでこの温泉が見られます。

マディウンのレンタカー:
親友のエコ・チャヨノさんは日本語はわずかですが、英語が通じます。運転手の英語は片言程度です。

詳しいことはエコ・チャヨノさんのケータイへ。 
<インドネシア国内から>081-656 0859 <インドネシア国外から>+62-81-656 0859

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2007-11-04 作成
2007-11-19 追加
2007-11-25 追加・変更 (38話と分割して蒸気機関車の特集に変更した)
2007-11-26 Kanigoroを追加
2007-12-01 SudonoとRejosariを追加
2008-01-31 Rent-a-carを追加
2015-03-10 修正
 

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