嗚呼、インドネシア
38話 マディウン近郊 (Madiun-Jatim)
 2007年11月04日、久しぶりの日曜日。宿泊しているMadiun市の近郊に温泉があるというので行ってみた。この近くに製糖工場があり、蒸気機関車が展示してあったのでそれを撮影に行ったついでであった。蒸気機関車の写真は別なページにまとめてあるので、こちらを見ていただきたい。。

  目的地とした製糖工場から約10km南にある観光地ウンブル(Umbul)はまったく整備されておらず荒廃していたので、以下の記事に興味がない方にとって訪れる価値はない。 ちなみにウンブルとはジャワ語で泉を意味する。

Madiun側から見た入り口。緯度経度はS7 47.082 E111 31.263

ここが源泉。鉄分を含む強い炭酸泉である。皮膚病に効能あり

不思議な祠があった。
 祠は薬効がある源泉を守るために作られたものだろう。

 下の写真の手前の細長い像はナンディ(神様の乗る牛)、左右の端にあるのはヨギの破片。奥の二体は神像である。
 中央の壷は線香立てで、その裏側にサジェンと呼ばれる花びらが奉納してあった。それほど古いものではないところを見ると定期的に誰かがお参りしているのであろう。

 神像がここにあるということは、この近くにもチャンディがあるのかもしれない。度重なる大噴火で住民がその都度入れ替わったので、元々あったチャンディなどは人知れず地面の下で発掘を待っているような気がする。

 不思議なことにこのマディウン盆地にはこれといったチャンディがないのである。盆地の西側にそびえるラウ(Lawu)山の西麓には有名なチャンディがあり、盆地の東側にそびえるウィリス(Wilis)山の東麓にはクディリ王朝の遺跡があることを考えると、マディウン盆地に遺跡があっても不思議ではないのである。考古学の穴場かもしれない。

祠の中 前から見る

祠の中 左から見る。
 このような地方に長期滞在する時には、サイクリング車を一台買うとよい。社用車を使えない場合に、買い物や現地の友人を訪ねる場合、郊外サイクリング、気が向いた時の散歩にも使え、きわめて重宝した。

ジャワ島の中小都市では中心街を出たら交通量はあまり多くなく、古い街道は並木が整備されていて思ったより暑くはない。さらには運動不足もこれで解消できるし、日曜日の早朝には現地のサイクリストたちがつるんで走っているので、サイクリングクラブに入って楽しむのもよいだろう。

 こうやって昔からインドネシアでの生活を楽しんでいたら、仕事仲間に「アンタは仕事しないで遊んでばかりいる」という評判が立ってしまった。仕事は人並みにやっているのだが、パソコンを使う技能がすぐれているので、仲間たちより1.5倍は早く仕事を終えられるのである。
 人の嫉妬というものは根深いものである。

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2007-11-04 作成
2007-11-19 追加
2007-11-25 変更
2015-03-10 追加修正
 

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