嗚呼、インドネシア |
第33話 チャンディチェト再訪 |
2007年5月19日チャンディ・チェトを再訪した。 ソロ市内を朝七時過ぎに出発し、カラン・アニャールとカラン・パンダンを通って、チャンディ・スクウとの三叉路(S7 37'18", E111 7'22")を通過したのは八時過ぎ。この三叉路を左折してすぐに右手に山にあがる道はコテイジに向かう道だから、左に向かう平坦に見える道を進む。 スクウとの三叉路からはしばらく山の中腹の急坂を登ると尾根の上にたどり着く。こんな茶畑の風景が広がっている。 |
チャンディスクウの三叉路から5km走ってチャンディ・チェトに着いたのは9:30頃であった。 階段下の緯度経度はS7 35'43" E111 09'23"。チャンディの向きは真西である。 階段の上はこんな風景であった。 |
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そっぽを向いている男性の彫像の背中合わせに女性の彫像があった。この男性の像の表情はなんとなく物悲しく見えた。もう少し近づいて見るとこんなになっていた。 | |
この像の表情はチグリス・ユーフラテスの遺跡にあるレリーフを髣髴とさせる。きっと天災地変でユーフラテスを追われ、インド洋に没してしまった古代文明を作り、そこも海面上昇で棲めなくなって、結局ジャワ海に移動したのか。ジャワ海も海面上昇でその安住の地を追われ、ついにはジャワ島の山のてっぺんまで来てしまった。その悲しい民族史を嘆いているのだろうか。 この上の段には観光案内書で有名なカメをモチーフにしたリンガとヨギがあった。 |
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手前から見て頭の左にあるのがシワ神、真ん中はウィシュヌ神、右がブラーマンを象徴している。 | |
入り口側から |
上から |
なにかおどろおどろしい感じがするが、この付近のテラスは落ち着いた感じがする。 |
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最上段付近の風景は次のようであった。最上段の標高は約1500m、S7 35'45" E111 09'29"であるとGPSが教えてくれたが、天候が急激に悪化し始めたため実際にはもう少し低いかもしれない。 | |
最上段から |
最上段の門の装飾 |
最上段に向かう階段。幅が60cmしかない。 |
門の幅は次のようになっていて、当初期待した遠近法を用いてはいないようである。 最上段 60cm 第二段 85cm 第三段 89cm 第四段 103cm 第五段 103cm ガプラ(割れ門)はなく礎石のみ残存 第六段 90〜140cm 崩落 第七段 90cm 第八段 170cm 崩落 第九段 300cm 一番下の修復された門 これらの門は直線状に建設されたはずであるが、下の二三段とその上とは約10cmずれている。地震か地すべりで移動したものだろう。 |
下からニor三段目にレリーフが残っていたので時計回りに全周撮影してきた。 |
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一旦、入り口まで降りたあと近くに観世音菩薩像があるのを思い出して、再度山登りとあいなった。 | |
観音様はあまりにモダンでありがたみが少ない S7 35'45" E111 09'31" |
観音様の横にあった石像。手前の網の下は泉 ここは超能力を得るのに使う泉だと言われている |
チャンディ・チェトを11時頃に出て、数年前に訪れたチャンディ・スクウの緯度経度を調べに向かった。チャンディ・スクウに着いたのは11:30頃であった。チャンディ・スクウはS7 37'39" E111 07'51"に位置しており、真西を向いている。 チャンディ・スクウでは車が近づいたとたんに入場料を請求されたので、少なからず気分を壊した。 このチャンディの近くに別なチャンディ(Candi Planggatan)があるというので行ってみた。急坂の狭い道で舗装が随所で壊れているため、雨天には乗用車でのアクセスは困難である。 チャンディ・スクウの南側から南に向かい急坂を降りて橋を渡り、S7 35'59", E111 07'43"の三叉路を左に折れてさらに登るとカンポンに入る。 このカンポンの中で右折して狭い路地に入る。入り口はS7 38'03", E111 07'58"である。 |
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立て札 |
この部分しか遺跡と思われるものが残っていない。 |
上右の写真の遠景 |
わずかではあるがレリーフが残っていた。 |
レリーフ全景 |
レリーフの詳細 |
レリーフの近くから中心地を見る。この右側には積み石の側壁が残っている。 |
どうもここが中心だったらしい。怪しい雰囲気が漂っていた。 捧げものがあったので、村人が参っているようだ。 |
中心地付近はS7 38'07" E111 07'35"であった。この遺跡は発掘も全く行われていないので観光案内書には載っていないだろう。 この遺跡で不思議だったのは、山から噴火で飛んできたような大きな岩石が露頭していることだ。このチャンディも火山の爆発で廃棄されたのかもしれない。 Mbk Ningという食堂のあずまやでちょっと遅い(12:30)昼食をとった。この食堂はS7 37'14" E111 06'47"であり、あずまやからの眺めがなかなか良いと共に、Kakap bakarが美味しかった。13:30頃に食堂を出て、ソロに戻った。ソロ到着は15:00頃であった。地図と経路の通過記録を下の表に示す。 カラン・アニャルは本道が登り専用の一方通行なので、下る際には一方通行の出口を左折し、二車線の道路の約150m先を右折。そこから2.0km先を右折するともとの本道にもどる。 ドライバーにこう説明するとびっくりするから、話の種にやってみると良いでしょう。(^_^) ソロとこれらのチャンディまでの経路をGPSで計測してきた。必要な方はこちらからデータをダウンロードしてください。 使用したGPSはGarmin e-trex VISTA Cxである。 |
COORDINATES FOR ACCESS TO THESE CANDIS AND OTHERS |
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2007-05-20 作成
2015-03-xx 修正