嗚呼、インドネシア
21話 雷の舌

 2006年の四月頃にオートバイとぶつかって右肩が痛むので是非とも診てくれとのことで、2002年07月27日にバンダルランプンの友人宅に久しぶりで寄ってみました。

 そのお宅には家宝にしている「雷の舌(Lidah Petir)」と呼ばれる磨製石器のようなものがあり、それを調べてみようと数ヶ月前に約束していたのです。以下はその報告などです。

 下の写真がその「雷の舌」です。長さは約20cmで(実は測定用の道具を持っていくのを忘れちゃったんです)、幅は約3cm、厚さは約8mmの半透明の硬質の石です。ポインターでレーザー光を照射すると反対側からその光が透過しているのがすこしみえます。写真では茶色ですが、実際にはもう少し色が薄いんです。また表面もきれいに磨かれていて、すべすべであると共にすべて凸形状で曲面が連続しています。これだけの形状と表面の精度を出して手で磨き出すのは大変な作業です。グラインダーがあればそれほどでもありませんが、砥石で研ぎ出そうとしたら何ヶ月もかかるでしょう。

 この友人の話によると、この石は雷が椰子の木などに落ちた時に雷光が形をとって生じるもとても珍しいものであるとのことです。また超高速でこの石がぶつかるから、繊維の多い椰子の木などが落雷でスパッと水平に切れてしまうのだとのことです。しかし落雷で木が切れたときに必ずこの石が見つかると言うわけでもありません。

 この石が人間にぶつかると、ぶつかったところが青あざとなって、犠牲者の身体じゅうが赤くなるということです。これは感電死と同じ状態ですね。雷は電気ですからあたりまえのことですけど。

 これはどう見ても磨製石器に見えるのですが、自然界で石英のような硬い鉱物でこのような形状のものができるのか不思議です。石器に興味あるかたは以下にご連絡ください。

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2006-08-20 作成
2015-03-06 修正
2016-08-22 修正
 

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