インドネシア不思議発見 |
第23話 生活の中のイスらム(11) |
(もういいかげんにやめとこう) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
なんと、いままでの連載の半分をイスらムについての記事で占めてしまいました。日本人にはイスらムが好きな人よりも嫌いな人の方が多いのですが、これは情報不足による「食わず嫌い」だろうと思います。 「イスらムについて」の連載を始めたのは、イスらムに入信しろだとか、アッら−を信じろだとかいう意図ではなく、西洋を通じて日本人が入手したイスらムに関するねじ曲がった情報を訂正して、あなたの目から「イスらムへの偏見」という鱗を落とすことによってより広い視野をもっていただきたかったからなのです。 もう、この頁でイスらムの連載が43頁になりました。興味のない記事を読む読者も辛いでしょうが、書く方はもっと大変でした。フ−ッ。「イスらムについて」はこの話で終わることにします。この連載で仕入れた知識があればイスらムのことをムスりム達と大体の話ができると思います。連載の内容についてもっと詳しく知りたい場合は、この話の最後の[参考資料・文献]にある本を読んでください。たぶんあなたはこれらを読んで筆者と違う感覚をもたれるかもしれません。それが「あなたの個性」なのです。それはそれで良いのです。 |
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1. 暦と曜日の話
金曜日だけがインドネシア語とアラビヤ語で数字で示されていないのは、この日が礼拝日に当たっているからです。中国語でもキリスト教の礼拝日の日曜日は「礼拝日」としているでしょう。 アラビア語の数字とインドネシア語の曜日の名前の子音だけが似ていると思いませんか。そうです。普通アラビア語では子音しか表記しないからです。たとえば、アるハムドゥりら−の「りら−」はアッら−のことなのです。アラビア語の単語の発音を知らないとアラビア文字が読めても発音できないのです。ムスりム達のクルアンの音読の練習用に「あ、い、う、あん、いん、うん」などの母音と促音便があります。現在のアラビア語には「え、えん」の音がありますが、クルアンでは「え」の音がありません。おっと「お」の音はどうしたのかというと母音の中に気取った発音のものがありこれが「お」列の発音に聞こえます。 また、インドネシア語には英語のthにあたる音がありませんからSの音で代用しているのでしょう。 |
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2. 数珠の話 驚くなかれ、イスらムでも数珠があるのです。イスらムの数珠はお祈りの回数を数えるのに使って掌では揉みません。インドネシアで買った数珠はしょっちゅう揉んでいるとすぐ糸が切れてしまいます。インドネシア製のシャツを買った時と同じように、糸の材質と強度に問題があるようです。 数珠は石やガラス製が一般的ですが、木製やプラスチック製のものもあります。Pasar Rayaで買った数珠は12個目に小さい石の区切りが入っていました。これはお祈りを33回あるいは100回繰り返すのでそのために11個で一区切りにしているのでしょう。日本で買った水晶の数珠にも小さい玉で11個目に区切りが入っています。 日本の超能力者は数珠をふりまわして悪霊祓いをします。数珠の材料には水晶が良いとかいわれています。 カモカのおっちゃんのザイヌディン師によれば、イスらムでも数珠の材料は天然石が良いとのことで、愛用している数珠には良い霊が付いてお守りになるそうです。天然石でない場合はなかなか良い霊を封じ込める(isi)ことが難しい上に、封じ込めた霊がすぐ蒸発してしまうそうです。天然石といっても使う人によって石との相性に向き不向きがあるので、知識のある人に選んでもらうのがよいそうです。また他人にヒ−リングをしてあげる際に集中力を増してヒ−ラ−をウォ−ムアップするのにもこのisiされた数珠が役に立つそうです。 宝石については別な話としますので興味のある方はお楽しみにお待ちください。 (「生活の中のイスらム」はこれでようやく終わりますが、「不思議発見」はまだまだ続くのです) |
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[参考文献] (順不同)
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2015-03-03 修正